韓国政府、北朝鮮にビラ散布の脱北者団体2カ所告発…脱北団体「これが自由民主国家か」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.06.11 07:57
北朝鮮が対北朝鮮ビラを問題にして対南威嚇と南北関係断絶に出たことを受け、統一部は10日、北朝鮮にビラを散布した脱北者団体の自由北朝鮮運動連合とクンセムを警察に告発し法人設立認可を取り消すという方針を発表した。自由北朝鮮運動連合とクンセムはそれぞれ脱北者のパク・サンハク氏とパク・ジョンオ氏が代表を務める団体で、先月31日に北朝鮮に向けビラを飛ばした。
統一部の呂尚基(ヨ・サンギ)報道官はこの日、「両は北朝鮮へのビラとペットボトル散布活動により南北交流協力法の搬出承認規定に違反した。南北首脳間合意(2018年4月)に正面から違反し、南北間の緊張を作り境界地域住民の命と安全に対する危険を招くなど公益を侵害したと判断した」と告発理由を説明した。1990年に制定された南北交流協力法は第13条1項で北朝鮮に物品を送ろうとする者は事前に統一部長官の承認を受けるよう定めている。ところが両団体は先月31日にビラと、1ドル札とコメを入れたペットボトルを北朝鮮に送り、事前承認がなかったというのが統一部の立場だ。交流協力法違反が確定すれば3年以下の懲役または3000万ウォン以下の罰金が科される。
だが韓国政府のこの日の措置は、ビラ散布への処罰に消極的だった過去の政権とは違い、「表現の自由」侵害議論を自ら招いた上に、「言葉を変えた」という議論も呼びそうだ。政府は4日にビラ散布と関連し、現行法では処罰が適切でないとの立場を明らかにした。その上でビラ散布禁止などを「バランスよく」盛り込む法改正を検討中とした。だが統一部はこの日、交流協力法でも処罰が可能だと立場を変えた。