【社説】駐米大使の発言は不適切、韓米同盟の信頼回復を
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.06.09 08:33
李秀赫(イ・スヒョク)駐米韓国大使と鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官の不適切な発言で韓米間の誤解が深まっている。新型コロナ事態と米中競争で国際社会が混乱している中、韓国が自ら孤立を招く姿だ。さらに北朝鮮までが深刻な言葉で韓国政府を非難している。李大使は3日、ワシントン特派員懇談会で「(米国と中国の間で)我々は選択を強要される国ではなく、もう我々が選択できる国という自負心を持つ」と述べた。すると米国務省が異例にも「韓国は数十年前に権威主義を捨てて民主主義を受け入れた時、すでにどちら側に立つかを選択した」という立場を表明した。韓米は1950年の韓国戦争(朝鮮戦争)を通じて軍事同盟となり、北朝鮮の軍事脅威に共に対処してきた。ところが今になって同盟を選択できるという発言をしたことで、米国としては不信感を抱いたようだ。
鄭景斗国防部長官の言葉も時期尚早だ。鄭長官は3月、米ディフェンスニュースに寄稿し、戦時作戦統制権(戦作権)を転換すれば「韓国軍が主導する連合防衛体制を作る」と主張した。しかし在韓米軍司令官を務めた米国予備役大将は「鄭長官は誤解しているようだ」と述べ、韓国国防部に釈明を要求した。実際、戦作権を転換すれば「韓国主導、米国支援」の関係に変わる。しかし戦作権問題をよく知る元在韓米軍司令官が鄭長官の発言を疑うのには現実的な理由がある。韓国軍は情報収集や北朝鮮の核・ミサイル対応能力レベルで戦作権を持つ準備がまだできていないのが現状況だ。このため戦作権転換のための韓国軍の連合作戦能力評価も遅れている。また、戦作権転換後に韓国が中国側に傾くのではという米国の疑心もある。こうした状況で鄭長官が戦作権転換がすでに実現したかのように自慢げに話せば、米国としては受け入れがたいはずだ。