「30年の慰安婦運動、否定すべきでない」…文大統領が問いかけた市民団体自省論(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.06.09 08:03
文大統領は運動の正当性も繰り返し強調した。「30年間粘り強く被害者と活動家、市民が一緒に連帯し力を集めた結果、慰安婦運動は世界史的人権運動として定着した。決して否定したり非難できない歴史だ」とし、また「一部で慰安婦運動そのものを否定し、運動の大義を傷つけようとする試みは正しくない。慰安婦運動は今も現在進行形で、『雨降って地固まる』という言葉があるように、現在の議論と試練が慰安婦運動を発展的に昇華させる契機になることを期待する」ともした。正義連などの不正会計疑惑、横領疑惑などを具体的に挙げるよりも、市民団体の間違った慣行などを指摘する方向で発言を締めくくった。
このように2年近く慰安婦問題を公開的に取り上げてこなかった文大統領が、この日李容洙さんを特定して「決心発言」をしたのは、それだけ今回の事態を深刻に受け止めている意味だとみることができる。当初、「尹美香事態」が初めて取り沙汰された時から、青瓦台内部では関連立場を明らかにすべきがどうかについて賛否両論があったという。だが、正義連関連の疑惑は、基本的に民間領域である市民団体のことだと判断し、立場表明をしなかったものとみられる。青瓦台核心関係者が「政府の調査結果を確認しよう」(5月20日)と話したこともこの延長線だ。
特に、文大統領が李容洙さんの暴露からおよそ1カ月後のこの日に関連メッセージを出したのは、前日ソウル麻浦区延南洞(マポグ・ヨンナムドン)「平和の我が家」所長のソン・ヨンミ氏が自宅で亡くなった状態で発見された事案が影響を及ぼしたという見方も出ている。青瓦台は文大統領の関連発言を出すことをこの日午前に決めたという。尹氏らに対する検察捜査が進行中であるため、直接的な言及が論争を大きくしかねない点をを念頭に置いたものとみられる。