【コラム】経済ワクチンは作らないのか=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.06.03 15:27
「1対10対100」。危機状況でよく登場する経営法則だ。製品に不良品が発生したとしよう。すぐに直せば原価1だけを投じれば済む。問責が怖くて隠せば後で10を投じなければならなくなる。あるいは製品が消費者の手に渡り、不満が出てくる状況に達すれば100倍の損失を甘受しなければならなくなる。
この法則はなにも企業経営だけに限って通じるわけではない。歴史の峠の前に立つたびに作動していた。そのたびに間違いなく潮目は変わった。4・19革命(4月革命)、光州(クァンジュ)民主化運動、通貨危機、朴槿恵(パク・クネ)前大統領弾劾など、激動の歴史の裏面にはいつも嘘と隠蔽が渦巻いていた。政治家や政策当局者、最近新たな権力に浮上した市民団体に代入しても遜色のない法則だ。チョ・グク元長官や尹美香(ユン・ミヒャン)事態もこの法則の網の中にある。誤りを潤色して隠せば、結局、巨大な波に巻きこまれるものだ。勢力交代はそのようにして進む。