【社説】本格的に乗り出した「韓国版ニューディール」…財政の心配はないか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.06.02 13:01
韓国政府が昨日、大統領主宰の非常経済会議で下半期の経済政策方向を発表した。新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)がもたらした経済危機を「デジタル」「グリーン」を二本柱とする「韓国版ニューディール」で乗り越えるという内容が骨子だ。このために政府は2022年までに31兆ウォン(約2兆7000億円)以上を投じて雇用55万個を作るという目標をたてた。公共部門に呼び水をさしてポスト・コロナ時代の新しい成長動力を作り、それを民間投資および雇用創出に拡大させるという考えだ。
政府は今年の成長率を0.1%で防御することを目指しているが、これさえも楽観できないほど経済は危機に陥っている。直ちに足元の火を消すためには大規模の財政投入が避けられない。積極的財政政策は韓国だけでなく米国・欧州・日本なども展開している。昨日開かれた第21代国会の初めての党政協議会の主題も史上最大の第3次補正予算案だった。過去第1、2次補正予算を合わせた金額(23兆9000億ウォン)より多くの30兆ウォン台になるものとみられる。与党と政府は経済の不確実状況で足りないよりは十分なほうがより良いという立場だ。
問題は財政健全性だ。下半期の経済政策方向でも金を使うという計画だけで、支出構造調整や歳入拡充のような財政健全性の確保案は見当たらない。直ちに第3次補正予算のほとんどは赤字国債発行で当てなければならない。一年に3回の補正予算編成は48年ぶりに出てきた異例的なことだが、今後の状況によっては第4、5次補正予算編成の可能性も排除できない。その都度国の借金が増えるほかはない。慣行的財政健全性の基準である対国内総生産(GDP)比国家債務比率の40%にこだわる必要がないという主張があるだろう。しかし、急速な債務比率の増加が国の信用度に負担になるという国際格付け会社の忠告も無視してはならない。