【コラム】先進国の幻想を越え、ヘル朝鮮を破る思考の共和国を追求すべき=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.05.28 14:24
新型コロナウイルス感染症が全世界に広がった。いわゆる先進国まで苦戦している中、韓国は防疫に比較的成功している。KBS(韓国放送公社)はコロナ後に変わった韓国社会の認識を調査した結果を発表した。調査結果によると、回答者の83.5%が韓国は先進国と答えた(「韓国は従来の先進国より優秀」58%、「韓国と従来の先進国とほぼ同じ」25.5%)。わずか1年前まで57.4%が韓国は希望がない「ヘル朝鮮」と回答していた点を考えると、驚くような数字だ。
韓国が先進国という主張は今回初めて提起されたのではない。1996年に韓国が経済協力開発機構(OECD)に加盟した当時、国政新聞は「わが国のOECD加盟は絶対貧困から出発し、約30年間にわたる血のにじむような努力を通じて我々が初めて先進国と肩を並べることになったことを、世界から認められる最後の手続きということができる」と伝えた。先進国に対する強迫観念が感じられるこうした宣言から25年。ついに一般人の大多数が韓国が先進国だと考えるようになったのだ。
先進国に変わっていく渦中にも韓国はずっとヘル朝鮮の歴史を刻んできた。国連人権副高等弁務官(Deputy High Commissioner)を務めた韓国の外交部長官は5月13日、ドイツ公営放送ドイチェ・ヴェレのある対談番組に出演し、韓国の新型コロナ対応を情熱的に広報した。ところが新型コロナ対処過程で性的少数者に対する偏見が作動することを懸念する部分になると、長官は韓国には「性少数者の権利に対する社会的な合意がない」と述べた。実際、韓国社会には性少数者の権利に鈍感であったり敵対的な人たちがまだ多い。しかしろうそく革命が起こる前の2016年、韓国政府は第32回国連人権理事会が発議した「性的指向およびジェンダー・アイデンティティに基づく暴力と差別に対する保護決議案」に賛成している。したがって外交部長官が2020年に海外メディアで「社会が受け入れるほどの準備ができていないのに変化を促せば、従来の偏見をむしろ悪化させることもある」と述べるのは、韓国が人権に関して決して先進国でないことを世界万国に宣言するのと変わらない。