【中央時評】御用権力になった市民団体=尹美香事態
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.05.26 15:20
「慰安婦活動家・尹美香(ユン・ミヒャン)」は大変な権力になっていたようだ。寄付金を個人の通帳で募っても、父と夫に仕事を回しても、「安城(アンソン)憩いの場」の疑わしい売買をしても、億ウォン台の資金が煙のように消えても、干渉する人がいなかった。「物乞いとして売って腹を肥やしてきた悪党」という慰安婦被害者の絶叫を聞き、尹美香氏の専横を見ても、みんな目をそらした。韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)常任代表、日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)理事長を経て、共に民主党の比例代表で国会議員バッジをつけることになった尹美香氏の姿は、市民団体活動家にロールモデルだったのだろう。花様年華、「人生で最も美しくて幸せな瞬間」をドラマの題名のようにずっと享受したはずだ。
「尹美香の悲劇」は「だまされるだけだまされた」という李容洙(イ・ヨンス)さんの暴露で始まった。しかしその本質は、出世の近道に変質した市民運動の堕落から見いだすべきだろう。過去の保守政権でも「ニューライト運動」など市民団体との癒着があったが、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)に続いて文在寅(ムン・ジェイン)進歩政権で特に強い。「人権」「民主」「正義」「女性」「環境」など華麗な巨大談論を独占した市民団体は自ら権力になった。政府の人事と内閣改造で市民運動家が執権階層に抜てきされる見慣れた場面は力の移動を見せている。