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「防疫成功」台湾はなぜWHOの「招かれざる客」になったのか(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.05.19 11:11
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今回の新型コロナウイルス対策で成果を上げた台湾は18~19日に開かれるWHO総会にオブザーバーとして参加し経験を共有すべきと訴えてきた。台湾の蔡英文総統はすでに先月米誌タイムへの寄稿文で「台湾は国連とWHOから不当に排除されており、世界と協力が可能だ」として総会出席を要求した。だがWHOのテドロス事務局長は台湾の総会出席のドアを結局開かなかった。

◇中国、台湾に「ひとつの中国」強要

 
WHOは現在国連加盟国のうちWHO憲章を承認していない欧州のリヒテンシュタイン(人口3万8000人)、南太平洋のクック諸島(人口1万7000人)、ニウエ(人口1500人)を除く194カ国が加盟している。合わせてパレスチナとバチカン、そして領土を持たないマルタ騎士団をオブザーバーとして受け入れている。中国が主張する「ひとつの中国」という理由以外に人口2380万人にもなる台湾がオブザーバーとして参加できない理由はない。

だがWHOは憲章で「オブザーバー参加は関連国の同意を得なければならない」と規定しており、中国の同意が必要な状況だ。WHOは台湾がオブザーバーとして総会に参加するには「両岸合意が必要だ」という立場だ。中国の顔色をうかがっている格好だ。だが中国は反中性向の蔡総統が執権する限り台湾のオブザーバー参加を認める可能性は薄い。そうした中で在ジュネーブ中国代表部の陳旭大使は6日「ドアは開いている」と話した。中国の要求する「ひとつの中国」の原則を蔡総統が認める場合にはWHO総会にオブザーバーとして参加できるようにするという意味だ。WHOオブザーバー資格の獲得をえさに台湾の大陸政策を変えようという考えだ。

中国は2006年に韓国出身の李鍾郁(イ・ジョンウク)WHO事務局長が在任中に死去すると、香港出身のマーガレット・チャン氏を後任者に推した。チャン氏2017年まで事務局長を務めた。チャン氏の後任がエチオピアの保健相と外相を務めたテドロス現事務局長だ。チャン氏は在任中に台湾を「中国台湾省」と呼んで台湾の抗議を受けたほど徹底して中国の意向に沿った。保健で政治をした格好だ。

◇中国、親中政権時期の台湾にはオブザーバー認める

中国はこのように「ひとつの中国」を掲げて台湾のWHO接近を徹底的に防いできたが、台湾に親中政権が発足した時はそうではなかった。2008年に台湾で親中路線を掲げた国民党の馬英九総統が当選すると中国は翌2009年のWHO総会に台湾をオブザーバーとして参加できるようにした。オブザーバーには議決権がないが発言権はある。だが2016年に大陸とある程度の距離を置く政策を掲げた民進党の蔡英文総統が執権すると中国は2017年から台湾がオブザーバーとしてWHO総会に参加するのを再び妨げた。

米国のポンペオ国務長官は6日、台湾が今年のWHO総会にオブザーバーとして参加することを支持する発言をした。カナダとニュージーランドも支持を示した。日本の安倍晋三首相は4月の参議院予算委員会で「政治性をなくすことが本来のWHOだ」と発言して事実上の支持を示した。米国の議員は最近55カ国に書簡を送り、台湾がWHOで活動できるよう支援してほしいと要請した。

だがWHOの最高意志決定機関である世界保健総会(WHA)は18日に行ったテレビ会議で、台湾にオブザーバー資格を付与する議論を年末まで延期することで合意した。台湾は今年WHO総会だけでなく各種活動にオブザーバーとしても参加できなくなるよう改めて排除される瞬間だった。これはだれが見ても中国の圧力のためだ。新型コロナウイルスという大災害を迎えている国際社会がいま最も必要なWHOの活動を政治が左右するという批判が出るほかない理由だ。

◇中国、新型コロナウイルスの独立調査反対…政治化議論

中国の習近平国家主席は18日、WHOの最高意志決定機関である第73回世界保健総会(WHA)テレビ会議の開幕演説で、新型コロナと関連した独立調査に反対する立場を明らかにした。習主席は「世界的に新型コロナウイルスが統制された後に世界の新型コロナウイルス対応作業に対し全面評価する案を支持する。この作業はWHOが主導しなければならない」と話した。これは米国とオーストラリアなど西側諸国が新型コロナウイルスの発生と拡散に対して時期的には「すぐに」、方法では「独立的な」調査をしようと主張するのに反対するという意味だ。習主席は新型コロナウイルス問題が終わった後でWHOの主導で調査しようと提案することで中国に対する調査をWHOに任せて時期を引き延ばして最終的に責任論をかわそうと試みるとみられる。新型コロナウイルス防疫成功国の台湾をWHOの「招かれざる客」にするもその一環だろうか。

「防疫成功」台湾はなぜWHOの「招かれざる客」になったのか(1)

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