【コラム】「批判はするが相手の視点も考慮する度量を備えよ」…韓日関係の舞台裏60年、崔書勉の忠告(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.04.30 16:06
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独島(ドクト、日本名・竹島)領有権紛争が表面化した2005年4月、崔書勉国際韓国研究院長が日本の国会議員の要請により自身の研究成果を説明して「独島は日本の領土」という主張の問題点を指摘している。
先日、筆者の手に『崔書勉に聞く』というタイトルの厚手の本が2冊届いた。2011年から7年にわたり行われた口述回顧が崔書勉(チェ・ソミョン)国際韓国研究院長(92)の口述回顧録として遅ればせながら日の目を見たのだ。「韓日関係の舞台裏60年」というサブタイトルそのままに、崔書勉院長は解放政局の真ん中に飛び込んだ学生時代から今までずっと韓日関係の現場を見守っていた生き証人であると同時に、時には舞台裏でどんな演出者や演技者よりも大きな力を発揮した舞台裏の主人公だった。悪化の一途をたどる今の韓日関係を克服していくために必要な知恵はこの元老の回顧録のページの間に宿っている。
#1.1967年6月。崔書勉の東京の自宅に佐藤栄作首相の側近が慌てて走ってきた。その年、再選に成功した朴正熙(パク・チョンヒ)の第6代大統領就任式を数日後に控えていた時だった。側近は「佐藤は(首相になる前に)朴正熙の就任式に行くと約束したことがあるが、今の情勢はあまりよくない。(韓国訪問反対の)デモが起きたり石が飛んでくる不祥事が発生したらどうするのか」と言った。「大したこともないのに騒ぐのか」と口を開いた崔書勉の答えはこうだった。「万が一石が飛んできたら『ああ、来てよかった。36年も日本の支配を受けたのに、その国の首相が来たときに石の1つも投げられなかったとしたら本当に大したことのない国だろうが、石を投げるその気迫を見て、私は帰る。これから力になってくれる隣国として、お互いを大切に考えましょう』と言えば、逆に韓国人を感動させる。日本での評価も高くなるだろう」。