<Mr.ミリタリー>軽率な分担金交渉広報、楽観が失敗になるのか=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.04.09 11:43
2012年10月。韓国国防部では緊張感が流れた。韓米が20カ月間にわたり続けてきた韓国の弾道ミサイル射程距離延長交渉が事実上妥結した。両国は発表の時点と方法について悩んだ。その間300キロに制限されていた韓国の弾道ミサイル射程距離を800キロに延長することにした。しかし交渉の過程は難航の連続だった。米国は射程距離を550キロ以内と主張し、韓国は北朝鮮の後方地域の弾道ミサイルを除去するには800キロは必要だと要求した。
当時メディアは「米国が韓国のミサイルの足かせになる」という形で批判した。国防部は国内世論を米国との交渉のテコとして活用した。しかし米国に対する批判は徐々に強まり、反米感情につながる雰囲気だった。このため国防部は反米感情を払拭しながら韓米が「ウィン・ウィン」という姿を見せる必要があった。韓国が一方的に発表すれば米国の立場が悪くなり、状況が変わることも考えられた。したがって事前報告を要求する国会に対してもメディア発表直前まで伝えなかった。それだけ国家間の交渉と発表は相手が存在するだけに慎重を要する。
ところが今回の防衛費分担金交渉の発表過程を見ると「軽率」そのものだ。韓米が昨年から8カ月間も難航してきた分担金交渉の妥結が迫ったという記事が1日午前から報道された。鄭恩甫(チョン・ウンボ)防衛費分担金首席代表の先月31日の映像ブリーフィングから始まった。翌日、青瓦台(チョンワデ、大統領府)の核心関係者も分担金妥結を既成事実化する雰囲気だった。