【コラム】総選挙後に描かれる政治曲線=韓国
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2020.04.05 10:47
新型コロナウイルスの影響による今後の世界経済の見通しは多様だ。「ドクター・ドゥーム」ことヌリエル・ルービニ教授のような人は終わりの見えない急転直下の「I曲線」を描くという暗鬱な見通しを出し、バーナンキ元米連邦準備制度理事会(FRB)議長のような人は短い沈滞後すぐに反騰する「V曲線」を予想する。極端な2つの見通しの間に、沈滞がもう少し長く続いた後で徐々に回復する「U曲線」もあり、下降した景気が長期沈滞につながる「L曲線」も出ている。また、急速に下降して緩やかな回復傾向を見せる「ナイキ曲線」まで登場する。
いずれにせよ世界経済が凍りつくのは明らかだが、バーナンキ元議長の予想が合っていることを願うだけの経済門外漢である私が世界経済を見通すのは力不足だ。だがこうした時局に総選挙を迎える韓国政治が選挙後どうなるかはひと目でわかる。不幸にも最悪のケースである「I曲線」。新しく構成されるたびに「過去最悪」という恥辱的記録を容易に更新してしまう大韓民国国会だが第21代国会はこれまでの最悪が色を失う、それこそ一度も経験してみたことのない国会になる公算が大きい。政党のカラーがそうで、候補の面々もそうだ。
すでに選挙前から悪の種がまかれている。政府与党と群小政党が野合して選挙ルールを変えた。汎与党圏を糾合して再執権しようとする与党の戦略と比例代表で規模を拡大しようとする群小政党の利害が一致した結果だった。選挙法改正で疎外された最大野党は隙間に食い込んで「比例政党」という妙手(?)を考え出した。政府与党は非常事態になった。小細工だと野党を非難したが体面を問い詰める段階ではなかった。あわてふためいて比例政党を作った。