【時論】「最前線」大邱で新型コロナと戦ったこの1カ月=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.03.31 11:03
病棟回診をしていると、ある患者が泣き叫んでいた。母親の忌日だが、病室から出て行くことができず、心引き裂かれる思いのためだ。40代の家長は失職危機に置かれていると言って沈痛な表情だ。3歳の子どもはどうしても新型コロナウイルス(新型肺炎)検体採取検査をしないといって大騒ぎしている。母親は懐の中で暴れる子どもを抱いて目に涙を貯めている。病院の仕事を終えて更衣室で保護服を脱ぐが、汗に濡れた体のように、私の目にも涙がにじむ。
3月17日から大邱(テグ)東山病院で仕事をして、日常のように目にした憂鬱な風景だ。筆者は2月27日に大韓医師協会の新型コロナ支援団長として新型コロナとの戦争が広がった最前線で1カ月間戦った。4月1日から自宅隔離に入る。
大邱東山病院の場合、感染防止のためにPAPR(電動ファン付き呼吸用保護具)が少なくとも100個が必要だが、61個しかない。PAPR用使い捨てヘッドカバーもなく、消毒してリサイクルしている。集中治療室と放射線室勤務者に優先的にPAPRが供給され、病室勤務者は保護服だけを使うことになる。ほぼ毎日保護服が変わるが、低品質の保護服を着る時は汗があまり出ないのはアイロニーだ。防湿機能も低下し、密閉力も弱いためだ。とにかく一日2回は汗でサウナ状態になる。