【コラム】日本の囲碁はなぜ没落したのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.03.25 14:15
「二目の頭は見ずにハネよ」という格言がある。能率と美しさを重視する日本囲碁を含蓄的に表している。論理的には自分が死ぬところに他人の二目の頭を叩いてどうするのかと思うが、そうではない。この格言を口ずさんでみると、二目の頭は急所の中の急所であり、二目の頭を叩かれるのは下手な棋士という考えが自ずと刻印される。二目の頭を叩く時は無知な(?)相手に気の毒にさえ感じる。
しかしAIの囲碁を見れば二目の頭はよく叩かれる。自ら叩かれたりもする。人間の名人は最初にその姿を見てどれほど驚いたことか。
日本囲碁の黄金期に大竹英雄という棋士がいた。大竹は木谷道場の塾頭として武宮正樹、趙治勲など数多くのトップ級棋士に日本囲碁の精髄を植えつけた。大竹は「美学」という2文字で特に有名だった。「囲碁は負けても醜い手は打たない」。これが大竹の囲碁哲学だった。大竹は日本美学の熱烈な信奉者であり伝道師だった。