【コラム】力出せない金と円…パーフェクトストームで信じられるのはドルしかない(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.03.24 11:15
結局米国企業の立場ではウイルス問題が終息し正常化するまで保有する現金で耐えなければならない状況だ。手持ちの現金がなくなり短期借入に失敗すれば破産を免れることはできない。企業の破産は売り上げ債権を持つ別の企業の破産を呼び起こし、こうした連鎖破産は金融機関の貸付を制限させる悪循環をもたらす。それこそ「パーフェクトストーム」だ。なさにこうした理由で一般企業や金融機関でもすべて現金、すなわちドルを最大限確保すべき必要性ができたのだ。
一言で企業の立場では新型肺炎と生き残りに向けた時間との戦いをしている。問題は米国企業と金融機関のドル確保競争でドルが急騰し、ドル借入をした外国企業も一緒に尻に火がついたことだ。このため全世界がドル確保に血眼になりドルの価値はさらに急騰した。ドル需要の急増はドルを決済通貨にしている米国企業の立場では保有する市場性有価証券や国債、外国為替を売ってでもドルを確保するほかない。19日に韓国と米国がドル通貨スワップを結んだのは韓国の立場では本当に幸いだ。しかし冷静に話せばこれは米国が切羽詰まって主導した通貨スワップだ。ドルの価値を下落させどうにかドル確保競争を落ち着かせなくては米国企業の生き残り期間を増やせないためだ。
安全資産の不在は今回の危機の本質が何かを示唆する。売り上げの不在とこれによる企業現金の不在、これが危機の本質だ。FRBはこれに対応してゼロ金利とともに7000億ドル規模の量的緩和を発表した後、これを速やかに執行している。問題は金融危機後に強化された規制でこのように放出された流動性が企業に流れるのにはネックがあるということだ。新たに導入された金融規制は大きく資本規制と流動性規制、ここにボルカールールと「レギュレーションW」など銀行の健全性を強化する規制だ。