【コラム】医師と宅配配達員が韓国を救った
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.03.20 10:31
今の大韓民国がそれなりに正常に動いているのは二つの職業、つまり医師と宅配便配達員のおかげではないかと思う。俗物的な階層ピラミッドの基準でみると、二つの職業は普段一番てっぺんと一番下の遠くに離れている。だが、パンデミックに広まったコロナウイルス感染症(新型肺炎)の局面では医師と宅配配達員が二軸となって多くの国民が動揺せず日常を生きていけるように韓国社会を支えている。これは決して大げさでない。医師は最前線でコロナと直接戦って国民の命を守り、宅配配達員は後方でコロナと遠ざかろうと死闘を繰り広げる人々を保護しているからだ。
医師はコロナ事態の直前までは確かに憧れの職業だったが、同時に嫉妬の対象でもあった。チョ・グク前法務部長官の娘、チョ・ミン氏の釜山(プサン)大学医学専門大学院不正入学疑惑の事例で分かるように、便法を動員してもどうしても子供に医師免許を握らせたいと思う親は大韓民国にありふれている。だが、尊敬する職業群では消防署員と清掃員にも後れを取っていた。常に存在する感染リスクはさておき、数年前にイム・セウォン教授の悲劇的な死が語ってくれるように、病院内の暴力にも無防備に露出した極限職業だ。それでも薄利多売の非常に低い診療報酬を現実化してほしいと要求すれば金に目がくらんだ利己主義者に罵倒されかねなかった。