文大統領「感謝」には理由があった…韓銀総裁、サウジで韓米通貨スワップ談判
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.03.20 08:56
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「経済中央対策本部」と称した19日の非常経済会議には珍しい場面があった。経済副首相や部署長官だけでなく李柱烈(イ・ジュヨル)韓国銀行総裁が出席したのだ。その上、文大統領は2回にわたって李総裁に感謝の気持ちを表わした。この日夜、韓米中央銀行間の通貨スワップ締結が電撃発表されたことから、大統領の感謝が通貨スワップ締結を念頭に置いたものだという見方が出ている。
金融界では、韓米両国の電撃的な通貨スワップ締結が、長期間注力してきた「李柱烈-パウエル」ホットラインの結果だという分析が支配的だ。金融当局関係者は「スワップ締結は非常に隠密に進められていて分からなかった」としながらも「FRBの肯定的なシグナルが青瓦台(チョンワデ、大統領府)会議前に伝えられた可能性が高い」と話した。韓国の積極的な提案と持続的な説得があった2008年金融危機時のスワップ締結とは違い、今回はFRBも最初からその必要性に共感してスピーディーに決定したという。
この過程で、李柱烈韓銀総裁の国際的な「金融人脈」が大きな役割を果たしたと評価されている。李総裁は国際決済銀行(BIS)の理事として、ジェローム・パウエルFEB議長とBIS総裁会議で2~3カ月に一回の割合で顔を合わせていた。2人は特に、先月22~23日サウジアラビア・リヤドで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で別途会談を持ったりもした。新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)による経済衝撃が大きくなっていたため、両氏はサウジで緊急対策の一環としてスワップ締結に対する共感を形成したという分析もある。