【噴水台】聖火
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.03.17 08:34
第32回東京オリンピック(五輪)期間中、メインスタジアムを照らす聖火の採火式が12日(日本時間)、古代オリンピック発祥地であるギリシャ西部オリンピアのヘラ神殿で開かれた。聖火の伝統は古代オリンピックから始まった。当時、オリンピックは神のための祭典だった。聖火祭儀は神の中でもプロメテウスを記念することだった。プロメテウスは、ゼウスに火を奪われて苦しんでいた人間のために、ヘパイストスの鍛冶屋から火を盗み出した。これを知ったゼウスはプロメテウスをコーカサスの岩山(ジョージア・カズベク山)に磔にし、鷲に肝をついばませた。内蔵は再生し、プロメテウスの苦痛は終わりなく続いた。逆説的に、古代オリンピック当時、聖火が灯っていたのはオリンピアのゼウス神殿だ。
ヘラ神殿で採火され、慣例によりギリシャ内の聖火リレーに入った聖火は13日、ギリシャ南部のスパルタに到着した。聖火リレーが行われた沿道に多くの人々が集まると、新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の拡散を懸念したギリシャオリンピック委員会(HOC)側が行事を打ち切った。聖火はアテネのパナシナイコ競技場に移された。1896年第1回アテネオリンピック(五輪)が開かれたところだ。当時は聖火がなかった。聖火は1928年第9回アムステルダム五輪から灯されるようになった。聖火リレーは1936年第11回ベルリン五輪の時に始まった。オリンピアで採火した聖火をリレーを通じてベルリンまで運んだ。アイディアを出したのはベルリンオリンピック組織委員会事務総長(後の組織委員長)カール・ディーム(1882~1962)だ。聖火リレーの誕生にナチス論争がある背景だ。