「WHO要求時は東京五輪断念」野心家バッハの本音が読み取れる言葉(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.03.15 11:28
2013年9月10日、アルゼンチン・ブエノスアイレスのヒルトンホテルのロビー。国際オリンピック委員会(IOC)の第125回総会最終日のハイライトを控え、IOC委員が三々五々集まった。新たにIOCを率いる委員長が秘密投票で発表されるところだった。IOC史上最も多い6人の候補が乱立した選挙だったが、事実上勝者は決まっていた。「準備されたナンバー2」と呼ばれたドイツのトーマス・バッハIOC副会長(当時)だった。
ロビーに設置された大型モニターに新委員長の名前が発表され、結果は予想通りだった。2018年の平昌(ピョンチャン)冬季五輪招致戦を取材しながらバッハ会長を3年間見守ったが、その時ほど明るい表情を見たことはなかった。歓声を上げたバッハ会長はすぐロシアのプーチン大統領ら各国の親しい知人らからの祝いの電話を受けるのに忙しくなった。その一方で各国取材陣に握手を差し出す余裕も忘れなかった。