【コラム】中国にエネルギー主権渡したフィリピン…韓国はその道に行ってはならない
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.03.04 10:28
「エネルギーを支配する者が世界を支配する」という命題は帝国主義時代に通じた時代遅れのスローガンではない。「エネルギー地政学」は依然として今日の世界を説明する最も強力な真実のひとつだ。米国が2010年以降石油の国中東から徐々に手を引き中国封鎖に集中することになった背景には自国内のシェールオイルを無制限に掘り出せる新技術の発見があった。米国のシェールオイルは長期的で構造的な原油安時代を開いたが、このため原油販売だけでこの世の春を謳歌していたベネズエラはあっという間に終末を迎えた。
ロシアはユーラシア大陸の地政学的中心という強みを活用し、欧州、アフリカ、アジアの要地をつなぐ天然ガスパイプライン構想を一部実践に移した。最初の結実であるドイツとロシア間のガス管建設は周辺国に1939年の独ソ不可侵条約の悪夢を80年ぶりに思い起こさせた。2019年末に米上院が数万人の米軍駐留国であり核心同盟国であるドイツに対し経済制裁案を通過させるほどロシアのガス管は米国のストレスになった。
現在世界のエネルギー権力が最も熱く衝突する所は中国の東側海岸境界線に沿ってインドシナ半島とインドを超えアラビア半島沿岸に達する真珠のネックレス地域だ。その中でも韓国、日本の領海と接する東シナ海から始まり、台湾、フィリピン、香港、ベトナム、シンガポールに至る南シナ海まで、海上空間で米国と中国の権力が鋭くぶつかり合っている。個別の国を力で圧迫したり金で引き込むなどの方法で自国に有利なエネルギー環境を作るため両大国が戦う戦場だ。