【社説】最初の死亡者が出た超非常事態…大統領が身をなげうつときだ=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.02.21 09:16
昨日、韓国内で新型コロナウイルス感染症(コロナ19)の最初の死亡者が出た。2人の感染が確認された慶尚北道清道(キョンサンブクド・チョンド)のテナム病院で肺炎症状で亡くなった60代患者だ。韓国流入から1カ月経過して死亡者が発生したことにより、新型コロナ危機は国家的な医療大乱段階に入った。大邱(テグ)・慶尚北道だけで感染者が48人出てくるなど、地域で一気に拡散する可能性も高まっている。それでも疾病管理本部の説明は「スーパースプレッド事件はあったとみるが、スーパースプレッダーがいたかどうかは分からない」という水準に留まり、国民の不安が強まっている。政府の防疫網が事実上崩壊したという批判が出てくるのも十分な状況だ。しかし政府の対応は安易なことこの上ないように思える。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は20日、権泳臻(クォン・ヨンジン)大邱市長と15分間電話で話して「あらゆる支援を惜しまない」と念を押した。
だが国民の目には、この日映画『パラサイト 半地下の家族』でアカデミー賞を受賞したポン・ジュノ監督と俳優を青瓦台(チョンワデ、大統領府)に招いて破顔大笑する姿のほうが深く刻印された。国家的危機状況で、大統領のすべきことの前後が逆になったのではないかという指摘が出るのはこうした理由だ。さらに残念なのは、これまでコロナ危機に関連して文大統領が示していた認識と対応だ。
文大統領は17日、企画財政部業務報告の冒頭発言では「実に非常で厳しい状況」と述べ、洪楠基(ホン・ナムギ)副首相からコロナ対策の報告を受けた後には「恐怖と不安が大きくなり、経済・消費心理が萎縮した」と相反することを話した。それなのに、翌日の国務会議では「非常な状況」「非常な時期」「非常経済時局」という言葉を連発して「格別の対策」を注文した。一夜の間に立場をまた覆したのだ。どのリズムで踊れということか。