【時視各角】ごみ箱で咲いた映画『パラサイト』ブーム
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.02.12 11:43
映画『パラサイト 半地下の家族』のアカデミー4冠受賞は奇跡に近い。1951年英国のザ・タイムズは「韓国の民主主義はごみ箱でバラの花が咲くことを願うようだ」とした。実際、第3次世界大戦にほかならなかった6・25韓国動乱(朝鮮戦争)の廃虚の中で韓国では民主主義が芽生える希望が見られなかった。技術も資本も全くなく、教育を受けた人的資源もない世界最貧国を眺める先進国の視線だった。
『パラサイト』は60年ぶりの完ぺきな反転だ。冷笑の傍らに韓国では民主主義が咲いた。その源泉をめぐりさまざまな評価があふれている。ポン・ジュノ監督の天才的な感覚は監督賞で認証された。安定的なストーリーテリングは脚本賞を獲得させた。最優秀作品賞は時代精神をよく反映したおかげだとされている。呆れ返る設定のブラックコメディだったが、貧富の格差と階級社会という人類普遍的な悩みを『パラサイト』のように辛らつに風刺した映画は多くなかったためだ。
韓国の映画産業振興が一役買ったという評価もある。そこにはCJグループの功労が際立つ。韓国映画産業の「大母」と呼ばれるイ・ミギョン副会長は作品賞の受賞感想でイ・ジェヒョン会長の貢献に2度も言及した。CJはその間エンターテインメント産業に果敢に投資してきた。関連上場企業が2社もある。実際、エンターテインメントは韓国で大きな収益をあげることが難しい事業だ。市場が小さく、言語も韓国語なので拡張性がない。それにもかかわらずCJは投資を惜しまず、数多くの話題作を排出した。今回『パラサイト』がアカデミー賞の主人公になったのは決して偶然でない。