【社説】体系的な政府対応と成熟した市民意識が最高のワクチン=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.01.30 10:42
29日、香港大学研究チームが新型コロナウイルス感染症(武漢肺炎)に対する予防ワクチンを開発したと明らかにした。「臨床実験など市販まで1年ほどかかる」と但し書きを付けたものの、最近聞いたニュースの中で最もうれしい便りだった。中国と米国もワクチン開発に総力を挙げていて、その時期が早まることを期待する。
現段階ではワクチン開発だけでなく、感染者がこれ以上増えないように防疫を徹底し、社会の混乱が大きくならないように努めることが重要だ。現在まで明らかになった武漢肺炎の致死率は4%前後だ。もちろんさらに多くの死亡者が出てこないように最善を尽くすべきだが、2003年重症急性呼吸器症候群(SARS)(9.6%)や2015年中東呼吸器症候群(MERS)(34.5%)と比べると不幸中の幸いだ。一週間内の致死率が最大90%に達するエボラと比較した場合ならなおさらだ。
それにもかかわらず、現在、韓国社会はすでにアノミー(anomie、社会秩序の崩壊によって起こる大混乱)の入り口にある。一部のオリニジプ(保育園に相当)では中国人や中国同胞子女の登園を控えさせるべきだという主張が登場し、ある食堂の入り口には「中国人立入禁止」の紙が張り出された。23日、青瓦台(チョンワデ、大統領府)掲示板に投稿された中国人入国禁止国民請願には57万人(29日基準)が賛同した。中国人に対する盲目的な「ジェノフォビア(xenophobia、外国人嫌悪)」に拡大する様相だ。