【時視各角】伝染病が再び見せた底=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.01.30 10:07
怖い。伝染病が拡大しているのに、どうして怖くないといえるだろうか。心理学者は最も基本的な人間の欲求が生存・安全で、地位や名誉はそれよりもずっと上位にある高次元的な欲望だという。会社の向かい側にある参鶏湯(サムゲタン)の店の前に列を作っている数十人の観光客にたびたび視線が向かう。普段は何気なく通り過ぎる風景なのに、彼らがやりとりする中国語が耳にくっきり刺さる。会社では誰かの鼻をすする音、せき・くしゃみが気になる。欲求階段の根底にある本能の発動だ。
程度の差はあるが誰でも怖いだろう。自分の病気や死、周辺の人に病気を移すことはどれも心痛むことだ。人間はこのような恐怖心によって危険を避けるように設計されている。かといって危険要素をなくす全ての方法が正当ではない。黒死病患者が発生した家や村の人々を燃やした時期に返ることはできない。