【社説】依然と現実からかけ離れている文大統領の国政認識
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.01.15 06:52
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨日の新年記者会見で国民全体より支持層の意向に沿う論理で一貫した。7日に出した新年の辞と同じように、冷徹な診断や自省は見出だせなかった。経済と北朝鮮に対する認識は依然と現実からかけ離れていた。新年の辞と新年記者会見を見ると、国政基調の変化ははるかに遠くに思える。
まず、経済認識が甘い。文大統領は「韓国経済から否定的な指標が減り、肯定的な指標が増えているというのは明らかだ。経済が良くなっているという展望も国内外的に一致する」と主張した。新年の辞でも「雇用が回復し、所得不平等が改善された」と述べたが、一体その内部事情を分かって話しているのだろうか。雇用が回復して所得不平等が改善されたのは、税金を注ぎ込んでかろうじて作り出した数値にすぎない。高齢者の短期雇用を山ほど作って、雇用惨事に「つぎはぎ処方」をし、低所得層には現金支援を増やして不平等悪化を沈めた。これは症状を一時緩和する単なる対症療法にすぎない。
民間の投資意欲が大きく落ち込み、経済の基礎体力である潜在成長率は下降の一途だ。所得主導成長の基調がもたらした結果だ。このままいけば効果は収められないまま、国の蔵だけを使い込んでしまう結果になるだろうと主流経済学者は警告する。経済学の大御所であるハーバード大学のロバート・バロー教授は、最近の中央日報とのインタビューで「韓国は所得主導成長ではなく、所得主も貧困に向かっている」とし「政府はポピュリズムをやめて市場・企業・投資にフレンドリーな政策を行うべきだ」と注文した。不動産政策についても、文大統領は「今の対策が効力がなくなったと判断されれば、より強力な対策を果てしなく出していく」と話したが、これについては正義党も「つぎはぎ式の対策を繰り返し出すのではなく、確実な対策を打ち出すべきだ」と指摘するほどだ。