－－以前に中央日報のインタビューで自らを「進歩、保守のような二分法に不都合を感じる現実主義者にすぎない」と言ったが、現在の韓国の進歩と保守を「現実主義者」として批判するなら。

「わが国の進歩・保守は追求する価値で定形化された進歩・保守ではない。両極端の進歩と保守だけがあり、それで硬直的だ。わが国の進歩は陳腐だ。彼らが話す福祉は西欧で１９－２０世紀に確立されたものだ。労働市場の柔軟化を進歩は受け入れない。我々の保守は保守主義ではなくてボス（ｂｏｓｓ）主義だ。ボスにしがみついている。保守の価値は刷新とリニューアルだが、我々はできなくなっている。西欧の保守が強調する家庭の幸せと家庭の価値を我々の保守は話さない。家庭は労働力の再生産場所だ。きつい労働から帰ってきて家庭で休んでこそ生産性も上がる。進歩・保守ともに現実に合った柔軟な変化を追求しなければいけない。そうすれば社会的な妥協や政治的な折衝もあるかもしれない」

－－先月、裁判所がサムスンの労働組合瓦解工作を不法と判決した。

「無労働組合経営もあることはある。しかし労使の合意に基づいてこそ安定性がある。労働組合の結成自体を妨害したり忌避すれば持続の可能性はない。無労働組合にしようとしたため、時間が経過するほど費用と苦労が増え、効果は落ちた。サムスンも労働組合を認めるしかない。心配される点はある。（二大労総の立場で）サムスンは食べるものが多いところだ。サムスンをめぐり両労総が競争すれば難しくなるかもしれない。そうであるほどサムスンは正道経営をすることが重要となる。政府も法と原則を守って中立的に進まなければいけない」

－－韓進家のために最近は騒々しかった。

「企業のトップは組織で皇帝の地位にある。このような文化から変わらなければいけない。企業の人事権も家族や親戚に依存せず、客観的な資料に基づいて合理的に行うべきだ。企業政策の核心は支配構造よりも行為（ｂｅｈａｖｉｏｒ）が不公正かどうかを見なければいけない。可能なら自律に任せて家業継承の道も開いておく必要がある」

文大統領が「新年の辞」を述べてから２日後の９日、金大煥教授と電話をした。金教授は「指導者として国民に送る新年の辞のメッセージが不誠実で残念だった」と述べた。そして最後に語った一言が耳に残った。「偉大な師は現実だけだというが、現実を直視せずに正しい政策が出てくるだろうか」。

「文政権は分配的ポピュリズム…中堅企業が韓国を離れないか心配」（１）