【社説】米国-イランの衝突にともなう非常状況に備えてほしい=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.01.06 08:11
米国のイラン軍要人暗殺に触発された中東の戦雲が通常でない。ドナルド・トランプ米大統領は3日、イラン軍部の実力者、ガーセム・ソレイマニ司令官をドローンで殺害した。戦争英雄で称賛されてきた彼が死ぬとイランのハサン・ロウハ二大統領はもちろん、最高指導者であるアヤトラ・アリ・ハメネイ氏まで出て復しゅうを誓っている。トランプ大統領は米国が攻撃を受ける場合、イラン内52個の主な目標物を攻撃すると応酬した。ますます緊張が高まる一触即発の危機にほかならない。
すでに取り返しのつかないことだが、トランプ氏はソレイマニ氏殺害という劇薬処方を慎重に使うのが正しかった。トランプ氏の前任者であるジョージ・W・ブッシュ元大統領とバラク・オバマ前大統領もこのカードを使うことができた。だが、イランの報復を憂慮して残しておいたオプションだった。イランの攻撃と軍事的脅威がとうてい放っておくことのできない状況だったら分かるが、少数の人命被害が全部である状況で一流国家の軍部実力者を暗殺したのは行き過ぎた対応という批判を浴びる可能性があった。
軍事力で米国の相手にならないイランが全面戦争を起こす可能性は希薄だ。それでもイランが黙っていると保障することも難しい。イラクなど同じシーア派国家を利用して米国に対する攻撃を踏み切る可能性が小さくない。確かなのは中東、さらには全世界がソレイマニ氏暗殺でさらに危険になっているという事実だ。そのため、トランプ行政府は高まりつつある米-イラン間葛藤をあおる代わりに危機を収めるために努力すべきだ。