最近、中国で原因不明の肺炎患者が続出したことを受け、韓国保健当局が２４時間対応体系を稼働すると３日、明らかにした。２００３年の新型肺炎（ＳＡＲＳ）のように拡大するのではという「第２のＳＡＲＳ」恐怖が生じているが、当局と専門家はその可能性は低いと状況だと判断した。

韓国の疾病管理本部はこの日午後、関連資料を出し、「中国湖北省の武漢市で肺炎の集団発生が報告された」とし「武漢市原因不明肺炎対策班を稼働し、武漢からの入国者に対する検疫を強化する」と明らかにした。

中国湖北省武漢市衛生健康委員会は先月３１日、武漢市で肺炎患者が２７人発生し、患者は隔離治療中であり、密接接触者はモニタリング中だと発表した。中国当局によると、２７人のうち７人は症状が重く、２人は病状が好転して退院する予定という。そのほかの感染者の症状は統制可能な水準という。中国保健当局は家禽類と野生動物を売る華南海産物市場（華南海鮮城）で多くの患者が報告されたことから、この市場に対して衛生疫学措置を取り、専門家を派遣して調べている。

スナイダー駐中国世界保健機関（ＷＨＯ）顧問は「中国当局と接触し、どのような原因で肺炎が発生したかを調べている」とし「当局はまだ病原体を確認できていない。ＷＨＯは事態の推移を注視していて、追加で事実が確認されれば公開する」と明らかにした。ＷＨＯはタスクフォース（ＴＦ）を設置し、武漢での事態に関連して早期警報システムがまともに作動するのか、関連情報が地域間で迅速に伝えられるかをチェックする方針だ。

近隣の香港も非常事態を迎えた。香港サウスチャイナモーニングポスト（ＳＣＭＰ）の２日の報道によると、最近武漢を訪問した３人の香港市民も高熱などの症状のため隔離病棟に入院して治療を受けた。２人は回復して退院し、残り１人も現在は落ち着いた状態だ。

中国で原因不明の肺炎が発生したことを受け、韓国疾病管理本部は３日、関連対策班を構成し、緊急状況室の２４時間対応体系を稼働することにした。また、中国保健当局、世界保健機関（ＷＨＯ）と緊密に協力し、情報収集や危険評価を続けていると明らかにした。また武漢からの航空便国内入国者を対象に発熱監視や検疫を強化する予定だ。

一部で「第２のＳＡＲＳ恐怖」が生じていることに関連し、保健当局と専門家はＳＡＲＳの可能性は低いと判断した。また、初期調査で感染がまだ確認されていない点からみて、大規模に広がる可能性は少ないとみている。

イ・ジェガプ翰林大江南聖心病院感染内科教授は「まだはっきりと分からないが、ＳＡＲＳであればすでに診断結果が出ているはず」とし「新種の感染病か、ほかの形態の原因が発生したのか、今後を眺める必要がある」と述べた。また「ＳＡＲＳの場合、初期に医療スタッフが伝染し、伝染性が強い危険な兆候を見せた」とし「局所的な発生だけで、周囲の人や医療関係者の診断がない点からみて急速に拡散する可能性は低い」と話した。

チョ・ソンヨン・サムスンソウル病院感染内科教授は「家族間感染や医療関係者の感染がまだない点からみて、ＳＡＲＳの時とは様相が異なる」としながらも「よく知られているウイルスなら数時間以内に検査の結果が出るが、そうではないということであり、原因未詳なら原因把握まで長い時間がかかるだろう」と述べた。

専門家らは２０１５年に建国大で集団肺炎が発生した当時のように、原因病原体が非感染性である可能性も排除できないと明らかにした。当時、建国大動物生命科学大学実験室の勤務者５５人全員が患者となり、当局が調べた結果、放線菌が病原体という暫定結論が出た。

疾病管理本部は武漢市を訪問した人のうち発熱と呼吸器症状があれば疾病管理本部コールセンター（１３３９）に申告するよう呼びかけた。具体的には武漢市の華南海産物市場を訪問してから２週間以内に発熱とせき、呼吸困難など呼吸器症状が表れた患者だ。武漢市を訪問してから２週以内に肺炎が発生した患者も対象だ。疾病管理本部は「武漢市訪問客は家禽類や野生動物との接触を避け、現地市場など感染の危険がある場所の訪問を控えてほしい」と強調した。

疾病管理本部のパク・ヘギョン危機対応生物テロ対応課長は「１００万人が暮らす武漢市内でも地域社会で拡大感染が確認されていないうえ、現在までの中国の発表によると市場を中心にしたごく限られた人たちに表れた集団感染」とし「原因の病原体や感染経路など中国の調査結果や状況展開に基づいて段階別に必要な措置を取っていく」と説明した。