【コラム】国論分裂より恐ろしい人口減少=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.12.31 13:37
先日、慶尚南道統営(キョンサンナムド・トンヨン)に遊びに行って、閑麗水道(ハルリョスド)の絵のような風景に心を動かされて、船に乗ってある島に訪れた。70世帯余りが集まって暮らしている鶴林島(ハンリムド)だ。船着場に降りると2階建ての華やかな小学校の建物が目に入ってくる。児童はたった1人。この児童が卒業すれば学校は空っぽになる。若者たちはみな陸地に離れ、高齢者たちだけが残ったところ、人口は減り、赤ちゃんの産声は聞かれなくなった。児童生徒の不足に伴う廃校は全国の農村や山村、漁村に現れている共通の現象だ。
日本の人口は2007年から減り始めて、今年一年51万2000人が減少した。浦項市(ポハンシ)の人口がまるごと消えた。10月を基準とし、韓国の人口自然増加率は0%を記録した。出生児数と死亡者数がそれぞれ2万5000人台でほぼ同じだった。一人の女性が生涯で出産可能とされる子供の数を意味する合計特殊出生率で、日本は1.4人だが韓国は0.9人台で、世界で最も低い。人口の自然減少が始まれば、そのペースは日本よりも当然速くなるほかない。
人口減少は未来に対する希望が消える兆候だ。学校を卒業しても就職が難しく、就職しても未来が不安なのは同じだ。住居価格の暴騰のせいで、マイホーム購入などははるか遠い夢だ。当然、若者たちは結婚を遅らせたり断念したりする。結婚しても仕事と育児を両立するのが容易ではないうえ、入試競争まで考えれば最後まで育てる自信もない。だから妊娠を敬遠したり先送りするようになる。期待寿命の増加で高齢者の人口はますます増える反面、生産可能人口は減る。消費から生産、流通まで全分野にわたって経済活動が低迷して縮小する。教育と国防も影響を受ける。社会的活力が落ちながら社会システムの持続可能性に深刻な疑問が提起される。