【社説】韓半島に戦雲が漂うが、韓国政府は何をしているのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.12.27 07:48
北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射と米国の軍事行動の可能性で緊張がピークに達したクリスマスが大きな問題なく過ぎた。しかし北朝鮮が挑発をやめたという結論を出す兆候は見えない。北朝鮮は予告した通り3、4日以内に労働党中央委員会全員会議を開き、「決死抗戦」の意志を結集する公算が大きい。続いて金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長はこの会議の結果に基づき「新年の辞」を発表し、「自分の進む道」を明らかにするとみられる。その過程でICBM発射のような挑発を通じて揺さぶりをかける可能性が依然として残っている。
こうした流れを感知したかのように米国も慌ただしく対応している。24、25日にRC-135WリベットジョイントやRQ-4グローバルホークなど最先端偵察機4機を東海(トンヘ、日本名・日本海)に出撃させ、北朝鮮の軍事動向を精密監視したと伝えられた。偵察機は過去には位置識別装置を消して飛行したが、今回は北朝鮮に見せるように装置をつけて公開飛行をした。「挑発すれば軍事行動で対応する」という警告と変わらない。それだけ韓半島(朝鮮半島)情勢は緊迫している。
ところが、韓国政府の対応はあまりにものんきだ。23、24日に中国を訪問した文在寅(ムン・ジェイン)大統領は連日、対北朝鮮制裁の緩和と「平和経済」の必要性を強調し、「北東アジア鉄道共同体」構想を話している。北朝鮮をなだめて交渉に導こうという意図だが、金正恩委員長が「クリスマスプレゼント」を云々しながら露骨にICBM発射の可能性を表しているところにこうしたメッセージを投げかければ、北朝鮮の誤った判断と韓米連携の亀裂ばかり招きかねない。