秋氏が長官に赴任すれば法務部検察改革もさらに加速化するだろうという見通しもある。これに伴い、チョ前長官の辞退以降２カ月近く長官席が空いていた法務部では「力強い長官」である秋氏の指名が改革動力を探るきっかけになるだろうと歓迎する雰囲気だ。しかし、検察改革という名分を借りて現在の青瓦台に向かった捜査を行っている検察捜査部署全体がなくなるかもしれないという懸念の声もある。

これに先立ち、キム・オス法務部次官は文在寅大統領に▼検察の直接捜査部署４１カ所縮小▼重要な事件に対する検察総長の捜査段階別長官報告－－などの内容を報告した。該当事実が知らされて論議を呼ぶと法務部は一歩遅れて「確定した事実でない」として一歩後退した。

実際に、法務部がなくすと報告した４１直接捜査部署の中では「青瓦台下命捜査疑惑」事件を捜査しているソウル中央地検公共捜査第２部と「ユ・ジェス疑惑」事件を捜査するソウル東部地検刑事第６部も含まれる。秋氏がこの部署の廃止を推進する場合、関連捜査も直撃弾を受けるものとみられる。尹総長は大検察庁幹部に「国家腐敗への対応力が弱化するのではないか確認せよ」と指示したことが分かった。野党圏は「現役不敗の人事聴聞会はこれ以上ない」として徹底的な検証を予告した。一部では秋氏の任命が来年まで延期されるのではないかとの見通しもある。

野党圏は秋氏が任命されれば「力強い長官」を前面に出した法務部が検察改革を輪にして青瓦台に向かって捜査していた検察を萎縮させるだろうと懸念している。

自由韓国党のチョン・ヒギョン報道官はこの日、論評して「内部的には『窮余の策』の人事、国民には『厚顔無恥』の人事」と批判した。チョン報道官は「党代表出身５選議員を法務部長官に任命するというのは青瓦台と与党が『秋美愛』という輪を通じて最初から直接的に司法掌握を押しつけるという対国民宣言」と話した。

正しい未来党のキム・ジョンファ報道官は論評で「本木だからといって全部末木にまさるわけでない」と批判した。キム報道官は「民主党代表時代、最悪の脇役代表という汚名を着せられて党全体を青瓦台第２中隊に転落させた秋氏だ。恥ずかしい青瓦台擁護論だけを繰り広げていた人が法と原則を守るべき法務部長官に適合したのか疑問」と話した。

一方、民主党のイ・ヘシク報道官はこの日の論評を通じて「秋氏の指名を歓迎し、法務・検察改革の完遂を期待する」として「法務・検察改革に対する国民の希望を敬う競輪があり肝っ玉のある適任者」と評価した。民主平和党と代案新党、正義党も否定的な評価を出していない。

秋美愛法務長官の指名…野党・韓国党「司法掌握の宣言」（１）