【コラム】韓国の「ワニの口」グラフも日本の後を追う?
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.11.21 08:59
2011年7月、東京で開かれた韓日財務長官会議。当時同席した日本財務省の真砂靖・主計局長(韓国の予算室長に該当)は「日本の前轍を踏むな」といいながら韓国官僚の前にあるグラフを取り出して見せた。日本政府の歳入と歳出の流れをまとめたものだった。真砂局長は「日本ではこれを『ワニの口グラフ』と呼んでいる」と紹介した。
1973年から福祉を大幅に拡大した日本は1990年代に経済バブルがはじけたが、借金をしながら福祉予算を埋めた。その結果、80年代末までは並行状態だった日本の歳入・歳出は1990年から方向を別にするようになる。歳出は増え続けるのに歳入が減少しながら両者の距離はますます開いていった。ぱっくりと開いたワニの口のような形になったのだ。真砂局長は「これを予測できなかったことは痛恨の極み」とした。2012年安倍晋三首相の攻撃的な成長政策のおかげで歳入は再び増え始めたが、依然として広がった口を閉じる方向に持っていくには力不足だ。
8年前の真砂局長の忠告にもかかわらず、韓国は日本が進んだ道をそのままたどっている。今年7-9月期までの政府の統合財政収支は26兆5000億ウォン(約2兆4560億円)の赤字で、今年「マイナス」を記録するものと予想される。政府の費用は膨らんだが、景気低迷や企業実績の不振で税収は減少した影響だ。来年以降の財政状況も赤信号だ。2019~2023年の中期財政運用計画を見ると、5年間の年平均財政支出は6.5%増える反面、国税収入は3.4%の増加にとどまりながら、2023年の国家債務は1000兆ウォンを越えて国家債務比率は46.4%に達する。韓国租税財政研究院長と統計庁長を歴任した財政専門家のパク・ヒョンス・ソウル市立大教授は「韓国がワニの口の開始点にいるのではないか心配になる」と話した。