【社説】韓国統一部長官のでたらめ国会証言、北送疑惑だけを大きくした
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.11.14 10:15
脱北漁民の強制・秘密北送は疑惑だらけの非常識措置だ。当局は正当な処理だと強弁しているが、次々に明るみになる疑問と真相はこのような主張を色褪せさせている。そのうえ、金錬鐵(キム・ヨンチョル)統一部長官が今月8日の国会で北送漁民2人の陳述をゆがめたとみられる発言をした事実が知らされて波紋はさらに大きくなっている。金長官はこの日、国会予算決算特別委員会に出席し、漁民の脱北過程を説明して「(彼らは)尋問を受ける過程でいろいろ相反した陳述もあったが、『死んでも戻る』という供述も明らかにしていた」と主張した。だが「死んでも祖国(北朝鮮)に戻る」という話は、海上殺人事件後、金策(キムチェク)港に戻る途中に自分たちの間で話していた内容だという。事件を犯した後、逃避資金を用意するために金策港に戻ろうという意味だったという。
このような報道が事実なら、金長官が8日に明らかにした内容と完全に違った話となる。金長官は彼らの過去の対話を引用し、まるで北朝鮮漁民が帰還を望んだような印象を匂わした。強制北還を本人の希望事項にすり替えて正当化したのだ。だが、統一部側の要人を引用した報道内容は完全に違った。漁民はずっと「亡命する」という考えだだけを明らかにし、調査過程で「死んでも戻る」という話はしたことが全くなかったという。