【中央時評】トランプの現状維持作戦(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.10.16 11:39
現状維持作戦は米国のストックホルム交渉中に反映されただろう。米国交渉チームは「寧辺+アルファ」程度の非核化に対しては低い段階のインセンティブ、つまり制裁解除なしで米朝間外交関係の改善や北朝鮮の経済開発案などを提示したものと見られる。米朝共同連絡事務所の開設、元山(ウォンサン)観光特区の開発と北朝鮮の国際金融機構加盟への支援などの「創意的解決法」がそれだ。
米国が鉱物制裁の猶予や解除を提案したとすれば、それは完全な非核化に準ずるビッグディールを前提にした可能性が高い。一部の外信は「寧辺+アルファ」の見返りで鉱物と衣類制裁を3年間猶予する方針を米国が提示したと報じた。しかし、制裁の核心である鉱物制裁がこのように緩和されれば残りの非核化に向けた推進力が失われて北朝鮮は実質的な核保有国になる。この点を米国政府と交渉チームもよく分かっている。それにもかかわらず、北朝鮮に非常に有利な不等価交換が提案されたとすれば、トランプ氏の突然の心変わりの他にこれを説明する方法がない。再選に逆風を起こす可能性があるディールを彼が果たして望んだのだろうか。