【社説】一日で反故になった米朝交渉…「非核化」の原則から取り戻す時
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.10.07 12:05
5日(現地時間)、ストックホルムで開かれた米朝非核化実務交渉が決裂した。「過去1年間、米国は15回も制裁を発動して合同軍事演習も再開し、先端戦争装備を引き込んで生存権を脅かした」という北朝鮮側代表の金明吉(キム・ミョンギル)巡回大使の発言で決裂の理由が垣間見られる。北朝鮮は民需経済全般を引き締めた安保理5大核心制裁の解除と韓米軍事演習の中断を粘り強く要求してきたと報じられた。しかし、米国は北朝鮮が「寧辺(ヨンビョン)プラスアルファ」の条件を受け入れれば、石炭・石油禁輸を部分解除することができるという水準から退かず一日で破局を迎えてしまった。
ハノイ「ノーディール」以降7カ月ぶりにせっかく開かれた会談が失敗に終わったというのは様々な側面で懸念される。米国は民主党の主導でトランプ大統領の弾劾政局が始まり、3カ月後には大統領選挙政局が始まって北核問題に気を遣う余裕が日増しに減っている。北朝鮮はこの隙間に付け込んで大陸間弾道ミサイル(ICBM)試験発射と核実験モラトリアム(猶予)破棄の可能性を流しながら再選を狙うトランプ大統領を圧迫する公算が大きい。トランプ大統領がこれに対抗して軍事行動のカードを切る場合、2017年韓半島(朝鮮半島)を覆った「戦争の恐怖」がよみがえる可能性も排除することはできない。