【グローバルフォーカス】香港デモが韓国に意味すること
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.09.27 17:17
1990年からよく香港を訪問したが、最近大規模なデモを見て驚いた。香港の市民100万人が6月から逃亡犯条例(送還法)に反対の意思を示すために平和デモを行い、警察は武力を使って鎮圧しようとした。中国は1997年に返還された香港に「一国二制度」の原則を適用し、民主主義陣営ではこれらの措置は中国本土の民主化に影響を与えるだけでなく、中国や台湾の葛藤も和らげるものと期待した。
しかし、結果は逆だった。習近平主席が独裁体制を強化し、これにより香港市民は、中国政府のジャーナリスト拘禁およびメディア検閲、今年2月に林鄭月娥(キャリー・ラム)香港行政長官が発議した送還法改正案などについて不満を表出し始めた。林長官を擁護する側は送還法が改正されても香港が中国本土の犯罪者引き渡し要求に応じない権利をそのまま持つと説明したが、香港市民の大半はこれを信じなかった。
この事態はどのように終結するだろうか。国際的な支持を受ける香港デモ隊は、自分たちの権利を守るために個人的なリスクも進んで甘受している。デモの現場で直接会ってみた香港市民は民主主義の守護のために戦った1980年代の韓国人と同じくらい勇敢だった。デモ隊を構成する市民層が非常に多様化で、中国政府や香港政府は彼らを懐柔するのに苦労している。香港市民の民主化要求は中国政府にとっては受け入れ難い。だからといって、中国で武装警察や軍を投入することもできない。ともすると米国など他国を刺激し、経済的制裁を受けることになれば、香港は経済特区の地位を失いかねず、そうなれば中国も深刻な経済的打撃を受ける。