【コラム】薄くなる中産層の「厚さ」=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.09.26 12:09
1961年にフィリピンはアジアで日本、シンガポールの次に暮らし向きの良い国だった。当時フィリピンの1人当たり国内総生産(GDP)は韓国の約3倍。しかし50年余りが過ぎた現在は韓国の1人当たりGDPがフィリピンの10倍だ。両国の運命を分けた要因はいくつもあるが、そのうちのひとつに中産層の「厚さ」が挙げられる。
フィリピン国立統計調整庁長を歴任したロムロ・ビロラ氏の研究によると、フィリピンの世帯の74.7%は貧困層に属する。これに対し中産層は25.2%にすぎない。0.1%の上位層が財産を独占している。国民の購買力向上に限界があるため産業が成長する基礎体力が貧弱だった。これに対し韓国は60~70年代の成長期を経て教育を受けた中産層が増え、彼らの購買力が高まり韓国の電子・自動車・鉄鋼産業が世界市場に跳躍する基盤を作った。