【時視各角】「転換時代の論理」で傷ついた韓米同盟
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.09.13 10:57
我らが韓米同盟はお元気だろうか。8日間で韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄、大使呼び出しに続き米軍基地の早期返還要求まで、韓国政府が米国を刺激することを一気にやっているのを見て、このような疑問が浮かんだ。先日、ワシントンに行ってきた専門家は「米国官僚の口から文在寅(ムン・ジェイン)政権初期によく使っていた『盧武鉉(ノ・ムヒョン)の時も耐えた』という言葉が消えた」と言った。その時より現政権の政策の方向をはるかに深刻に考えているという意味だ。
青瓦台(チョンワデ、大統領府)の重鎮が「同盟も国益に先んじることができない」と言う状況だから、米国の懸念もある意味当然だ。青瓦台側の発言は韓国が同盟関係にやきもきしていないことを知らせるためのものかもしれない。しかし、筆者にはこのような措置が米国とは決別し、中国の懐に入ろうとする「遠米近中」政策の一環に読み取れる。
文在寅大統領が書いたものを見れば、中国には愛情をたっぷり与えつつ、米国は好ましくない視線で見る根の深い偏向を発見することになる。文在寅大統領が「最も感銘深く読んだ」という本だけ見てもすぐに分かる。大統領選挙候補時代の文大統領は進歩ジャーナリストだった故・李泳禧(リ・ヨンヒ)漢陽(ハニャン)大学教授の『転換時代の論理(原題)』を人生の本に挙げた。文大統領は同書について「米国を無条件の正義として受け入れ、相手は倒して捨てるべき悪として扱われてしまう、韓国社会の虚偽意識を裸にすることだった」と説明した(『運命 文在寅自伝』)。直接的に言ってはいないが、この本で米国が正義でないことを切に感じたという話に聞こえる。