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【リセットコリア】韓国のアイデンティティを明確にしてこそ安保と経済が守れる

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.08.19 09:11
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光復節(解放記念日)の祝辞には国民が共感する部分があった。日本に対する穏健な表現は期待をかけさせ、安倍氏の毒針を良薬に変える寛容が伺えた。北朝鮮非核化を強調して経済の力で共栄する統一方案を提示したことは、可能性に疑問はあるものの概して肯定的だった。ただし、長期ビジョンを後押しするほどのロードマップやプラットホームコンセプトなどアクションプランがなく残念だった。今でも能力のあるワーキンググループを作り、国民が共感するビジョンの実現を急がなければならない。世界競争時代に必要な人材を広範囲から探し、政府要人と教育・文化・研究開発分野から政治色を抜き新たに国家競争力を向上させる体制に転換しなければならない。

先端素材開発は短くて数年、長くて数十年を要する。ものによっては競争力のために国際協力ネットワークに連結させて製品を生産するなど世界市場と共存しなければならない。全体主義国家では資源・科学技術・人材さえあれば何でも生産できるという古典的・2次元的・階級闘争的思考をしていた。だが、我々は自由企業主義と自由貿易・金融などグローバル市場競争に符合し、自由・創意を尊重する自由民主主義国家として大韓民国を発展させなければならない。

 
今、世界は強大国の自国第一主義、実利主義で紛争が激化している。中国が米国GDPの60%を超えて10年以内に米国を追い抜くだろうと見られている。これに驚いた米国は貿易・金融・研究開発・軍事力・エネルギーなど長期戦略計画を立てて「米国第一主義」で中国を牽制(けんせい)し始めた。これから先、米国主導の新たな秩序が確立されるだろう。

韓国は急速な成長に力づけられてGDPは日本の40%に迫り、個人所得は80%を超えて世界10位圏の経済大国になった。特に、過去に日本が席巻した世界先端消費財市場で韓国が上回ることによって日本も韓国を牽制し始めた。安倍氏は国際関係の変化を大日本国再建の機会にしている。

北朝鮮は米国と釣り合うサイバー戦力とミサイルを開発し、連日韓国を威嚇する一方、韓国と日本を分離させ、韓米同盟を揺さぶり、韓国を孤立させようとしている。また、内部分裂と民族感情を刺激して「わが民族同士」と「平和統一論」で北朝鮮式統一を試みている。中国は不確実性造成の根源地として、ロシア・北朝鮮と共に韓国に軍事的圧力を加えることができる威力を誇示して不安を高めている。

中国・日本は韓半島(朝鮮半島)を数千年にわたり数百回の侵略を行った国々だ。6・25南侵も厳然とした歴史的事実だ。中国のトウ小平は、改革開放には成功したが政治的民主化は完成できないまま逝去した。今は習近平が天下統一と中華主義の大望を抱いて一帯一路に進みながら世界を制覇しようとしている。中国は21世紀のグローバルな潮流に逆行して自国大国主義に進んでいる。

このように周囲の環境が厳しい状況で韓国は進路を見出だせずにいる。この時点で韓国は最悪の場合に備えて最善の生存案を探さなければならない。最悪の場合は、韓国がアイデンティティを明らかにせず躊躇しながら右往左往していては友邦から不信だけを招きかねないことだ。信頼を失ってしまえば、風浪の中に孤立し、その中で我々だけ戦って大声でわめいても生き残ることはできない。大韓民国の安保と経済が破綻して存在できなくなる。

最善の道は、大韓民国が自由と正義・創意・人権を尊重する自由民主主義国家としてアイデンティティを明確にし、自由世界と協力して自由市場経済路線にまい進し、世界が前進する力を育てることだ。それでこそ日本・中国・北朝鮮と戦わずしてウィン・ウィンが可能だ。無力な平和と繁栄はありえない。韓国は小さいが、自由市場で5G(5世代インターネット)・IOT(モノのインターネット)・AI(人工知能)などのグローバル化でより大きな国になることができる。

チャン・チヒョク/前高合会長

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