【中央時評】国益の時間と普遍の時間(II)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.08.16 11:58
韓国の中年には「ドンチャモン」という名前の方が馴染みのあるドラえもんはジング(主人公のび太の韓国版の名前)とタイムマシンに乗って1945年の東京の動物園に時間旅行に行く。米軍の空襲により多くの日本人が戦死直前だが、殺処分される運命の動物たちを救うためだった。多くの兵士が命を捧げる時なのだから動物も喜んで命を捧げるべきだと、自ら象を殺すそうとする日本人兵士に彼らが投げかける言葉は「心配しないで、戦争はどうせすぐに終わって日本が負けるから!」(中央日報2018年8月20日付)
戦後70年間で日本が到達した普遍性の姿はここまでだ。忠実な皇国の兵士たちは他者にすぎず、日本人は檻に閉じ込められたまま大量殺処分される動物と自らを同一視する。小さな命ほど大切なものはないという哲学は無害に見えるが、それは政治的な状況とは無関係な生命だけが大事だという裏側を内包している。日本のこのような無力な被害者マインドは彼らを世界情勢に対する普遍性から更に遠ざけたのかもしれない。タイムマシンを作ることができる時代が来ても、世界で戦争を終わらせるための努力や人類を救おうとする努力はしていないドラえもんの国は、世界第2位の経済大国になった後もとりわけ極東にとらわれた政治を繰り返した。