【コラム】米国のインド太平洋戦略と韓国の新南方外交…接点見つけなくては(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.07.10 11:54
先月30日のトランプ米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の板門店(パンムンジョム)会談に埋められメディアの関心を受けられなかったが、その日韓米首脳会談後の共同記者会見でとても重要な内容が発表された。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が韓米同盟は安保だけでなく経済と地域・グローバル問題で協力を強化する包括的戦略同盟として確固と位置付けられているという評価とともに、「韓国の新南方政策と米国のインド太平洋政策間の調和が取れた協力を推進することにした」と表明した。インド太平洋戦略に積極的に参加するという意味と受け止めるには足りないが、米中覇権が激突する敏感なタイミングにインド太平洋戦略との提携の意思を表明したという点で注目すべき変化に違いない。特に文大統領は最近発生したタンカー襲撃事件など中東で緊張が高まる状況に対する懸念に共感したとし、オマーン海域での航行の自由は国際エネルギー安保と中東地域の安定に向け極めて重要だという点を確認し、中東情勢安定に向け今後も継続して韓米首脳間で緊密に協力すると明らかにした。韓国の原油輸送路が脅威を受けかねない状況でインド太平洋での安全が韓国の国益にとても重要だと判断したためだ。
米国の太平洋時代は19世紀に開幕した。1860年に米国を代表する詩人ウォルト・ホイットマンは太平洋が米国人に繁栄を約束する広いハイウェイになるだろうと言った。米国の指導者は太平洋とアジアが米国人に偉大な未来をプレゼントするという楽観的ビジョンを提示した。アラスカとミッドウェイを編入させたリンカーン政権の国務長官であり戦略家であるウィリアム・スワードは西部開拓後、太平洋への進出に米国が乗り出すことが唯一の方向だと断定した。本格的な太平洋時代が開かれたのは1906年にルーズベルト大統領が「白い大艦隊」を太平洋に前進配置してだ。その後続いた20世紀は米国の世紀だった。