【時論】韓国国家情報院長の「死にそうだ」の声に隠された意味
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.06.13 12:00
徐薫(ソ・フン)国家情報院長と楊正哲(ヤン・ジョンチョル)民主研究院長の非公開会合をめぐる「国家情報院の国内政治介入」問題がついに法の審判を受けることになった。国家情報院法上の政治的中立義務を違反した疑いで徐院長が検察に告発されたからだ。対北朝鮮情報現場で30年間活動した筆者としては残念に思うと同時に、徐院長が同席者に語った言葉に注目する。徐院長は「国内政治パートを組織的にすべてえぐり取り、できることがなくて死にそうだ。すべての疎通を断つことはできず、自ら言論界、与野党政治家、外国政治家、シンクタンクの人たちに直接会っている」と吐露したという。会合をめぐる政治的論争とは別に、徐院長のこのような告白から深刻かつ本質的な問題を発見できる。
国家情報機関のトップは早期警報など国家の命運を左右する問題について大統領を補佐し、大きな考えをしなければいけないポジションにいる。このように重大なポジションにいる責任者が実務者級の仕事をするために死にそうだと言えば大きな問題になるしかない。1961年の中央情報部(国家情報院の前身)創設以降58年間の国家情報院の歴史の中で34人の院長が任命された。彼らは一様に国と使命感を強調したが、リーダーシップはそれぞれ違った。外圧に振り回されないよう組織を運営した院長もいた半面、小義と小利に執着して不名誉を得たケースも少なくなかった。