【社説】うらやましい米国の成長、もどかしい韓国の現実
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.06.04 11:20
隔世の感だ。わずか数年前まで韓国経済は探求の対象だった。高速成長する秘訣に多くの国が関心を向けた。その韓国の立場が変わった。経済規模が韓国の13倍にのぼる米国が成長ペースで韓国を上回った。昨年、米国は2.9%、韓国は2.7%成長した。今年も米国が韓国を上回るというのが国際機関の予想だ。もう韓国は高速成長どころか、沈滞を心配しなければいけない状況だ。韓国銀行(韓銀)が米国の成長の秘訣を探っている。韓銀が出した報告書「最近の米国潜在成長率上昇の背景」の内容だ。
韓銀はひとまず米国経済の基礎体力(潜在成長率)が強まったことが成長の本質になったと診断した。最近の成長は瞬間的なイベントではないということだ。潜在成長率が高まった理由は3つ挙げた。「(1)企業の投資(2)労働市場の好調(3)生産性の向上」と番号まで付けて表記した。米国は量的緩和で資金が豊富になった中、法人税を大幅に引き下げて企業の「アニマルスピリット(animal spirit、攻撃的投資本能)」を刺激した。投資が続いて雇用が増えた。失業率はほぼ50年ぶりの最低水準となった。さらに高付加価値産業の情報通信技術(ICT)比率が高まり、生産性が向上した。