韓経:【コラム】政府の失踪、政治の失踪=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.05.31 13:07
政策や行政サービスの提供に情報技術(IT)を活用する電子政府は韓国が世界最高だと自負する分野だ。国連発表によると、2010年以降3回連続で1位となり、昨年は3位にのぼった。政策資料の開放性でも韓国は経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で1位だ。そのような国で「政府を信頼するか」という質問に「はい」と答えた割合はOECDの平均を超えられずにいる。この逆説的な結果をめぐり、様々な見方が出ている。政策は毎日のように立てられているが、実行は後回しにされているためという分析があるかと思えば、デジタル技術を借りただけで未来を予測して対応できない政府が電子政府と言えるかとの指摘もある。未来学者ジム・デイター氏は、縦割り行政、低い生産性など官僚制の弊害を持っている電子政府を「ナビゲーションをつけた馬車」に比喩した。
政治に目を向ければさらに暗鬱になる。科学技術政策研究院のホン・ソンジュ研究委員は金泳三(キム・ヨンサム)政府から繰り返されてきた「権力の政策サイクル」に注目する。最初は支持者に合わせた公約と国政課題で短期間で成果をあげることに執着し、発足3年目を前後に限界にぶつかり中長期戦略を探るということだ。変化しつつある国内外の環境により政策の再構成に腐心する間、政権は後半部に入ってその結果は実行につながらないままキャビネットの中に入ってしまうということも共通点だ。