◇サムスン、ギャラクシーフォールドの発売電撃延期

ギャラクシーフォールドの翼が折れた。特にギャラクシーフォールドが誇ったまさにその画面が「折りたたみ部分」で致命的な欠陥が現れた。ギャラクシーフォールドの発売延期が避けられないサムスン電子としてはアップルやファーウェイを押さえて占めようとしていたスマートフォン業界のファーストムーバー（先導者）の座の確保もしばらく先送りしなければならない境遇になった。

◇フォームファクターチェンジャーとして注目され

ギャラクシーフォールドはスマートフォン「ギャラクシー」ブランド発売１０周年を迎えるサムスン電子の野心作だった。特にスマートフォン出現以降維持されてきた棒形の外形を完全に変える「フォームファクターチェンジャー」として注目された。サムスン電子は昨年１１月の開発者会議で試作品を初めて公開し、ギャラクシーシリーズ発売１０周年である今年２月に正式発表された。スマートフォンはアップルが２００７年にｉＰｈｏｎｅを初めて出した当時は画面の大きさは３．５インチにすぎなかった。その後スマートフォンの画面は大きくなり、いまでは６インチ後半台が一般化された。スマートフォン画面の大型化が進むほど逆説的にスマートフォン業界ではスマートフォン画面の折りたたみ競争に火がついた。

サムスン電子はギャラクシーフォールドの画面を内側にたたむインフォールディング方式を採択した。ファーウェイの折りたたみスマホ「メイトＸ」は画面を外側にたたむアウトフォールディング方式だ。インフォールディングは画面をＶ字形にたたまなければならず、ディスプレー間の離隔間隔が狭いことからＵ字形にたたむアウトフォールディングより難しい技術に分類される。また、ギャラクシーフォールドは有機ＥＬを保護するために強化ガラスを重ねた既存のスマートフォンと違い、透明ポリイミド（ＣＰＩ）フィルムを貼った。

（１）画面中間の折りたたみ部分が電源不良でちらつき

ギャラクシーフォールドの欠陥は折りたたみスマホの特徴であるこのたたむ部分とＣＰＩフィルムで発生した。現在まで明らかになった欠陥は大きく２種類で、まず画面中間の折りたたみ部分で電源が瞬間的に遮断されちらつく現象が発生することが明らかになった。画面をたたまなければならないため画面中央部分は裏表面の基板と密着させず薄いフィルム形態で露出するが、この部分の品質と耐久性が問題になったのだ。また、一部製品は有機ＥＬの上に貼ったＣＰＩフィルムが手で簡単にはがせる問題が現れた。

（２）画面折りたたみヒンジ部分が盛り上がる

もうひとつはディスプレー前後カバーの折りたたみ機能をするヒンジ（ちょうつがい）部分に異物が現れ画面が盛り上がる問題が生じた。サムスン電子関係者は「ヒンジ構成品の問題なのか、外部から入ったものか確認中」と話した。サムスン電子はギャラクシーフォールド発売を控え画面を繰り返し折りたたむ信頼性テストをする映像を公開している。サムスン電子は当時「画面を２０万回以上開閉しても問題がない」と説明した。

サムスン電子は発売日程を決められずにいる。サムスン電子関係者は「ギャラクシーフォールドの欠陥を正し完全な製品を市場に出す」としながらも、「いまは欠陥の原因分析段階のため再発売日を言及する状況にない」と明らかにした。業界ではギャラクシーフォールドの欠陥を修正するのに数週間から長くて数カ月かかる恐れもあると分析する。スマートフォン部品メーカー関係者は「ヒンジ部分は異物が何かだけ把握すれば簡単に直せるだろう。だがフレキシブルディスプレーの耐久性問題が深刻ならばフィルムを最初から設計し直さなければならず、相当な時間がかかりかねない」と話した。

ファーウェイ、「折りたたみスマホ７月発売予定」

ギャラクシーフォールドの発売が延ばされるほど競合企業であるファーウェイの足取りが速くなるものとみられる。ファーウェイは先週中国・深センで開かれた「ファーウェイアナリストサミット」で、メイトＸを７月に発売すると発表した。だがファーウェイもやはり折りたたみディスプレーを供給する中国ＢＯＥの歩留まりが低く発売を９月に延期するだろうという見通しも出ている。またシャオミやアップル、ＬＧエレクトロニクスなども折りたたみスマホを開発中とされるが、具体的な形態や発売日程は公開されていない。折りたたみスマホを最初に公開した中国企業のロヨルは中国のオンライン通販サイトのＴモールで折りたたみスマホを８９９９元（約１５万円）で予約販売中だが正式な発売日は明らかにされていない。

結局サムスン電子がギャラクシーフォールドの欠陥を修正し７月中に発売できるかどうかにスマートフォン業界のファーストムーバーの座を守るのかファーウェイに明け渡すが決まるものとみられる。