韓経:【コラム】「忖度」の日本
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.04.09 08:53
日本の安倍晋三首相は2006年に最年少首相に選出された後『美しい日本』という題名の本を出した。「活力と親切があふれる、世界に開かれた美しい国」という国家像を提示したこの本は50万部以上売れた。
安倍首相の強調でなくても日本は美しさに対する執着が格別だ。食べ物にもひたすら美しく見せるために作ったメニューがあるほどだ。こうした特有の美学は、きれいさ、秩序整然さ、まめさなどで表出され世界の人たちの注目を浴びる。2011年の東日本大震災の際に略奪も、放火も、政府批判集会もなく秩序整然な姿を見せ世界の人たちを驚かせた。
だが美しさに対する強迫が「赤信号でも一緒なら渡る」という日本人の集団主義と結合すれば多くの副作用を生む。「組織内の美しくない恥ずかしいことは隠す」という心理が発動するのだ。過去の問題で恥ずかしく暗い歴史的事実から目を背けるのもこうした背景のためという分析が多い。