【取材日記】国民の莫大な借金で支える公務員の老後=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.04.04 11:26
昨年の国家財務諸表に現れた公務員・軍人年金充当負債は940兆ウォンに達した。国家財務諸表上の負債の半分を超える56%。いまも政府財政で公務員・軍人年金支給不足額を補填している。2018年は3兆8000億ウォンだ。「公務員の老後生活費のため国の借金が増えた」という世論が高まった理由だ。
政府は批判世論を鎮めるのに忙しい様子だ。政府は数回にわたり年金充当負債は支給時期・金額が確定していない推定値にすぎないと説明した。金利状況によってこの規模は揺れ動く、いまは低金利のため現在の価値で換算した年金支給額規模が大きくなったということだ。
間違った説明ではない。しかしここにとどまるというのが問題だ。報道資料と会見を通じて過去最大に増えた負債規模を発表してもこれをどのように管理するのか言及しなかった。「会計帳簿上(財務的に)増えただけ」という釈明だけがあった。政府のこうしたアプローチが果たして潜在的負債管理の重要性を強調した国家財務諸表作成の趣旨に合うのか確かめてみなければならない。国家財務諸表作成は国債・借入金など確定債務中心で管理していた従来の財政管理方式に対する反省からスタートした。韓国租税財政研究院が発刊した『わかりやすい国家会計』には、「国家財務諸表導入で年金充当負債など未来財政負担能力を予測し財政を運営できる基盤が用意された」と書かれている。仁川(インチョン)大学貿易学科のオク・ドンソク教授は「年金充当負債は増えるのに対し人口減少、成長率下落などで税収は減ると予測されるなら、これを管理する基準を立てることが望ましい」と指摘した。