【時視各角】ハノイの3つの疑問、3つの誤解
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.03.06 13:17
先月26日午前8時30分。ベトナム・ハノイのマリオットホテル4階のエレベーターでボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)に会った。偶然にも部屋が同じ階だった。ワイシャツ姿の軽い服装にいかなる荷物もない姿からみて、朝食を終えて部屋に戻る途中のようだった。瞬間的に「アンバサダー(元国連大使だったため)、今回の会談はうまくいきそうですか」と尋ねた。ボルトン補佐官は余裕の微笑みを見せながら何か答えようとした。その瞬間、鋭い目つきの警護員2人がすぐに私を制止した。ベネズエラ事態に対応するため24、25日に予定されていた訪韓日程をキャンセルしたボルトン補佐官は早くからハノイ入りしていたのだ。そして2日後、ボルトン補佐官は拡大首脳会談で寧辺(ヨンビョン)以外の核施設の資料と解体要求が入った封筒を北朝鮮側に差し出した。決定打だった。いま思うと、ボルトン補佐官の微笑みは会談決裂の暗示だったのだろうか。
そしてハノイの3つの疑問と3つの誤解。まず、最初の疑問。「本当に実務交渉をしたのか」。北朝鮮は「寧辺の知られている施設」でディールを終えようとした。米国は寧辺の390棟の建物全体と寧辺以外の施設を問題にした。廃棄の対象は交渉の基本であり核心だ。ところがこれを調整せず首脳会談で出したため、このような状況になった。実務陣が愚かだったか、または首脳に責任を転嫁したとしか考えられない。
2つ目の疑問は「果たして3回目の会談は可能だろうか」だ。双方は決裂後、交渉カードをすべて見せた。今後妥協できる余地をお互いなくした。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の歪んだ表情、はれた目は「トランプ大統領以降」に向かうだろう。トランプ大統領も同じだ。ワシントンは「決裂はよかった」に固まった。こうした雰囲気で金正恩委員長が白旗を掲げない限り、トランプ大統領が「北朝鮮をもう一度説得する」と動き出す可能性、必要性はゼロに近い。接触はあっても交渉は難しいだろう。