【社説】米朝首脳会談の決裂…「転禍為福」のきっかけに
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.03.01 16:33
世紀の談判になると期待された2回目の米朝首脳会談が決裂したのは大きな衝撃だ。具体的な内容が期待に及ばないとしても、非核化に関する最小限の合意が出てくると期待されていたからだ。28日午後12時56分ごろ(現地時間)予定されていた金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長とトランプ大統領の昼食会および合意文署名式が取りやめになったことが伝えられた。ハノイのベトナム-ソ連友情記念宮に設置されたプレスセンターがざわつき始めた。そして数人の記者が声を低めて話すのを除いて重い沈黙が記者室に流れた。政府当局者も「どういうことなのか」という質問に硬い表情で「会談が決裂したようだ」という言葉を繰り返すばかりで、状況を把握できていないのは同じだった。昨年初めから活発に進められてきた北朝鮮の非核化交渉が突然座礁するかもしれないという思いのためだ。
多くの専門家がいかなる水準であれ合意があると予想していたのは、トランプ大統領の置かれている立場のためだった。大統領選挙で勝利するためにロシアと談合したという内通疑惑のほか、メキシコ国境に障壁を建設する問題で政治的苦境に陥っているため、北核関連の業績を強く望むはずだと考えられていた。特に前日の27日夜にはトランプ大統領の元顧問弁護士であり最側近だったマイケル・コーエン被告が下院公聴会に出席してトランプ大統領の不正を証言したため、合意の可能性はさらに高まったとみられた。