【コラム】体はハノイ、心はワシントンのトランプ大統領
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.02.28 10:26
昨年5月。6月13日の韓国の全国地方選挙日を控えて突然、ワシントンがその前日の6月12日に史上初の米朝首脳会談をシンガポールで開催すると発表した。野党・自由韓国党からは悲鳴があがった。そうでなくとも敗色が濃厚だが、与党に有利なメガトン級の津波が発生したからだ。慌てた韓国党の内部では怪談が飛び交った。「政府・与党が北朝鮮と米国に働きかけてこのような選択をすることになった」という主張だった。「主体思想派運動圏出身の与党関係者が平壌(ピョンヤン)と、米国側と親しい政府関係者がワシントンとそれぞれ接触して12日に決めた」という「ディテール(?)」まで出てきたが、物証は一つもなかった。
当時の洪準杓(ホン・ジュンピョ)韓国党代表は「トランプ大統領は外交もビジネスと考えるのか」というメッセージで米国の心を変えようとした。しかし米朝間で確定した首脳会談を韓国の野党が覆す能力はなかった。会談は予定通り開催され、トランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の抱擁、韓米合同軍事演習中断宣言など会談で出てきた結果は、韓国党に完全に不利なものだった。韓国党が6・13地方選挙で17カ所の広域団体長のうち15カ所で敗れ、歴代最悪の惨敗を喫したのは、前日に開かれた米朝首脳会談が間違いなく大きな影響を与えた。