希望を失った都市で詩のようなラブストーリーを描いた日本映画の次世代巨匠(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.02.20 12:04
「日本の歌の中で、タイトルに東京が入ったものは少なくとも20曲はあるでしょう。主に地方出身者が東京を野望と希望のある憧憬の対象として見た歌詞です。でももうすべて昔の話です。40年前ぐらいから、東京は若者たちが敗北の苦さを味わい、夢破れ、毎日の生活が殺伐とした都市になりました。違いはあるかもしれませんが、みんな無理をしながら息詰まる気持ちで生きています。単に、『何かあるかもしれない』という期待だけを抱いたままで。私も一緒です」
映画『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』を引っさげてソウルにやってきた石井裕也監督(36)の言葉だ。14日に韓国でも公開されたこの映画は、絶望の都市から掬い上げた恋愛物語といおうか。主人公は東京で殺人的な物価と空虚感に苦しめられて生きている看護師の美香(石橋静河)。生活費に充てようと毎夜ガールズバーでアルバイトをしている美香は、片目は見えないが漠然とした希望を夢見る日雇い労働者の慎二(池松壮亮)に会って少しずつ変化する。